舞台監督,神祐輔氏率いる劇団での
舞台役者デビューを果たす
フルートを演奏することをメインとしながらも,活動の分野の幅を拡大したいと,
撮影モデルやラジオ番組出演など,演奏すること以外からの挑戦もしてきた西園寺彩華.
ここにきて,舞台での役者出演のオファーが舞い込んでくる.
女優業には,憧れや,尊敬があったものの,自らが役者として出演することに躊躇いがあったという.
新しいことにチャレンジしたい挑戦心と,踏み入れたことのないセカイで
成功させることができるのか不安と怖さとの葛藤の末,初の役者として舞台に立つことを決心した.
役者のメンバーは,みんなその業界で活躍をしているベテランの役者たちばかり.
そんな中に役者として素人な西園寺が,参入し,苦悩しながらも,挑戦に挑んだのは,
『本郷真砂町奇譚-恋ぞつもりて淵となりぬる-』というオリンピック時代に起きた座敷童を題材にし,
その恋模様を描いた作品である.
この作品で西園寺は,高校生の『梅川晴美役』を担当することとなった.
なんと梅川晴美役はダブルキャストでの出演となり,2通りの梅川晴美が存在する設定となった.
あえて,ダブルキャストであることを活用し,監督が自ら,脚本や演出に差異をつけたことで,
同じ作品の中で,変わった仕上がりになった.
その一手として,監督が西園寺彩華だからこそできる何かを取り入れたいということで,
劇中に『フルート演奏』のシーンを入れるという提案をおこなったことは西園寺にとって,
モチベーションや喜びを一層掻き立てたことであろう.
舞台は幕上げから千秋楽まで無事,盛況に終わった.
共演者の役者勢からも,千秋楽で,高評価をもらい,
神監督からは,『最初はどうなることかと思っていたが,本当によく頑張った.
最初の時の演技と本番の時の演技の差に急成長を感じていた.またぜひ出演してほしい』
との賞賛の声をいただいた.
西園寺彩華にとって,この舞台役者という挑戦は,新たなスタートラインとなったことだろう.
記事についてフルート奏者西園寺彩華さんに
出演後に対談インタビュー
インタビュー会話内容
Int.:「役者デビューおめでとうございます!
初の挑戦になった舞台出演を終えていかがですか?」
Ayaka:「結果的には,自分にとって間違いなくプラスになった経験になりましたが,
ここまで仕上げる過程が本当に辛かったです.もちろん舞台本番は思いっきり楽しむことが
できたのですが..笑」
Int.:「演奏とはかけ離れたせかいでの挑戦ですもんね.辛かったとおっしゃいましたが,
差し支えなければ,その体験談を教えてください.」
Ayaka:「たくさんありますが,一番は発声の仕方からダメ出しをされ,ベテランの役者さんたちが
総出で,付きっきりで別スタジオでの個別特訓をしていたことです.
演じることに対してのダメ出しよりも,発声から指摘されたことは,本当に辛かったです.
もともと,ライブではMCでのトークもマイクを通してがほとんどで,
ボイストレーニングもしていない私にとって,舞台で声を届ける上で,どれほど発声が重要か
知る余地もありませんでした.」
Int.:「それは辛い時期でしたね.確かに,ドラマと舞台の違いは,そこなのかもしれないですね.
たくさん苦悩されながら,本番まで過ごされたかと思いますが,役を演じることについて
何か感じたこと,苦労したことはありますか?」
Ayaka:「そうですね〜.演じるということ自体が自分の中でピンときていなくて,
台詞は頭に入っているのに,晴美ではなく,西園寺自身がそのまま台詞を言っているだけ
みたいな状態になっていました.記憶力には自信があって,台詞は頭に入るのが早くてそこは,
心配していない部分でした.どの役者さんよりも,台本を手放しての稽古が早かったのですが,
台本を読み返しても,晴美という人物になりきれないままの日々が続き,演じることに奮闘しました.」
Int.:「自分じゃない誰かになりきることって楽しそうでありがらも,自分との切り離し方が
難しそうですね.高校生役ということで,衣装はセーラー服だったようですが,制服はどうでしたか?」
Ayaka:「高校卒業してからそんなに経過していない時点での制服だったので,
着ること自体には抵抗なく,むしろ,現役の学生時代はブレザーだったので,セーラー服に憧れがあり,
それを着て舞台に立てたことに喜びを感じています.もう,着る機会はないだろうな〜と思います.」
Int.:「私は逆に,セーラー服だったので,ブレザーに憧れがあります.笑
そんな梅川晴美役はダブルキャストという設定でしたが,それを聞いてどう思いましたか?」
Ayaka:「もう,まず比べられちゃうな〜と.作品の仕上がりに差が出来そうだな〜と.
一気に出演することのハードルを上げられた感じでしたね.」
Int.:「ダブル主演だと,どうしても作品の雰囲気や観覧者の皆様も,それぞれ好みが出てきそうですよね.それはプレッシャーになりますね.」
Ayaka:「そうなんです.でも,私にとってダブルキャストは,全日程の公演の内,何回かは
出演オフの時があったので,出演回数を全てこなすプレッシャーは気にしなくて済みましたので,
ある意味よかったのかな〜って思っていました.」
Int.:「なるほど.そんな考え方もありますね!ポジティブです笑 神監督さんはフルート演奏を
劇中で入れるという提案をされたそうですが,そのシーンについてどう思いましたか?」
Ayaka:「まさかの提案でびっくりしました.ここでも,メインのフルートに携われるのかと
正直嬉しかったですし,演技の稽古のモチベーションにも繋がったんです.作品の後半で,
別キャストが歌うシーンがあったのですが,そのシーンのメロディーをフルートで
担当するという演出を加えていただき,西園寺彩華らしい役柄にしてくださいました.」
Int.:「監督さんの演出に感謝ですね.舞台に出演して,何か反響はありましたか?」
Ayaka:「そうですね〜.もともと西園寺彩華としての演奏を好きでいてくださる方も,
もちろん見に来てくださったのですが,演劇分野に関心のあるお客様からも,フルート奏者としての
私も知っていただく機会となり,そこから演奏も聴きに来てくださるようになりました.
役者としての経験もできたことに加え,西園寺彩華としての名前も宣伝できた貴重な挑戦になりました.」
Int.:「西園寺さんにとって,得たものはたくさんありそうですね.
この経験で学んだことはありますか?」
Ayaka:「役者としての業界の知識や,現場での進行の様子など,ドラマ撮影のメイキング映像で
見た裏側の体験も自分が実体験できたので,とても貴重な経験となりました.
そして,演じることの難しさ,でもそれを乗り越えた先にある演じることの楽しさを実感し,改めて,
俳優や役者さんたちの凄さ,役者魂に尊敬の念が大きくなりました.
関わってくださった全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです.」
Int.:「はい.ありがとうございます.もっとお話伺いたいところではありますが,
本日はここまでとします.西園寺彩華さん,ありがとうございました!」
Ayaka:「こちらこそありがとうございました〜!」